社会起業家が向きあう「新しい現実」を伝えるメディア

社会起業家の支援を職業にしていると、否応なく、人が苦悩し変わっていく姿に立ち会う日々に恵まれます。例えば、夜中にはアフリカの事務所の法人化の相談が急に入り、次の昼に別の起業家から資金が尽きたという相談が入り、夕方には、経営陣の一人が辞めるかもしれないという相談が重なったり。事業の生命線に関わる判断を迫られる時間は、その起業家の表には見せない繊細さだったり、眠っていた豪胆さが見えする瞬間でもあります。

日々、起業家たちには意を決する機会が訪れ、支援者も起業家達と共に悩まざるをえません。自分たちの小さな助言や紹介の可否で、雇用が失われることや、支援先の組織の未来が変わったり、さらには、“社会的弱者”の人生が崩れたりする。そういう「苦悩の瞬間」や「出会いの瞬間」に人の顔つきや、立ち方、振る舞い方すら変ってしまうことがある。

僕は現場にある変化と社会の様々な資源の提供主体との中間にいる支援者として、資金提供者やさらには社会そのもの対して、起業家たちの物語や成果を代弁することがあります。また、僕自身も一人の書き手として、社会起業家たちの成果の断片を書き表してきました。しかし、その度に厚みのある「生の現実」や彼らの葛藤を現実の1%でも充分に伝えることができただろうか、と思い悩み続けています。「成果」はどうしても、観客の理解によってのみ成り立ってしまいます。言い換えれば、出来上がった評価基準の中で「良い」ものが良いとされる。観客に過度によりそってしまうことは結果として、社会の硬直した物差し、例えば「偏差値」のような価値観を再生産してしまう。それは、結果として、“社会的弱者”を苦しめてしまうことすらある。この限界を、小さなメディアという仕組みの中で、乗り越えられるんじゃないか、と信じてWILLを始めました。

私達はつながりがつくられる過程や生まれようとするはじまりを通じて、解釈の仕方すら分からない未来を「新しい現実」として伝えていくことから始めていこうとしています。

運営団体

一般財団法人リープ共創基金は「善意の資本がまわり続ける社会」を目指して、篤志家と社会起業家の新しい関係の構築を支援しています。財団は社会起業家の支援を通じて産まれた知的資本を「新しい現実」として再編集し、WILLを通じて発信します。

発行人

加藤徹生 幼少期の闘病経験から個人や社会の課題を変革の転機と捉えるようになる。ベンチャー投資の経験を経て、社会起業家の支援を行ってきた。東日本大震災の復興支援を経て、財団法人を設立。著書に「辺境から世界を変える」

加藤 徹生

Special Thanks

Suguru Ikuta, Tsukasa Sawaguchi, Saori Hasimoto, Nanae Hirohata, Jiro Atsuta, Junichiro Yuki, Keiko Kiyama

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